奈良市の平城宮跡で、正倉院に匹敵する巨大な総柱の礎石建物跡2棟(いずれも8世紀)が出土した。奈良文化財研究所が28日、発表した。戸籍や徴税、公共事業などを担当した民部省が管理する米蔵群「廩院(りんいん)」の可能性があるという。宮門警備の役所「衛府(えふ)」にかかわる木簡片1千点以上も隣接地で見つかり、衛府の関連施設があったこともわかった。
学術調査で、奈良時代後半(8世紀後半)の朝堂院(儀式エリア)の東隣約1300平方メートルを発掘した。
その結果、東西約18メートル、南北6メートル以上ある同規格の礎石建物跡2棟が東西に並んで出土した。ともに南北の長さは12メートル以上と推定される。床下に多数の束柱(つか・ばしら)を配して床を支える総柱構造の倉庫とみられ、2棟合わせると、1棟3倉の正倉院(南北33メートル、東西9・4メートル)とほぼ同規模となる。平城宮跡で倉庫群とわかる遺構の確認は初めて。
後の平安宮(794年以降)の役所配置図によると、朝堂院東側の同じ場所には民部省の米蔵「廩院」があった。同研究所は、今回の倉庫遺構も場所や規模の大きさから廩院の可能性が高いとみている。廩院は、労役にかわる税「庸」として全国各地から集めた米を蓄えた。
現地説明会は30日午後1時半から。場所は平城宮跡・東院庭園の北西約100メートル。小雨決行。


